その2 ピックアップ取付けー2005.5.7ー

Aloha Ukuleleの活動は主にHula kepaniなどのフラのバックミュージックですので、小規模な発表会であれば、ウクレレのサウンドホールにマイクを近づけても良いのかもしれませんが、少し大きなステージですと、ピックアップで音を増幅してやらないと、観客には聴こえません。楽器店などに依頼しても良いのですが、一本取付けるのに数万円掛かってしまいます。そこで、インターネットで調べてみたところ、ピックアップはピエゾ素子というものを使えば100円程度で作れることがわかりました。早速、東京の電子部品を販売しているショップから取寄せて作ってみたところ、プリアンプも必要無い位に音を拾ってくれました。ジャックの種類にもよりますが2000円から4000円程度で製作できます(工具代別ですが)。メンバー所有のウクレレでステージ使用のものはすべてこちらで製作、取付けています。この度、メンバーの友人から取付けを依頼されたので手順をご紹介します。


左がピックアップ本体。正式には圧電スピーカーというもので、中にピエゾ素子が内蔵されています。付属の配線コードではこころもとないので、エレキギター用のコードと交換してあります。ここで半田付け作業が伴います。右側はシールドを差し込むためのダイレクトジャックです。

取付け作業用の工具、材料一式です。左からウクレレ本体に穴をあけるための商品名「ミニビット12mm」、開いた穴を補正するための半円彫刻刀、ジャック固定用の水道管漏れ止めテープ、ピックアップ固定用の両面テープ、サウンドホールからピックアップ取付け場所を確認するための歯科用ミラー、サウンドホールからウクレレ本体にあけた穴まで配線コードを誘導するための園芸用ワイヤーです。あっ半田ごてを写すの忘れてた!

今回取付けを依頼されたコアロハコンサート。丁寧に使われているようで、非常に美品です。音色もコア特有のカラッとしたところを残しながらも固すぎず、良い音です。

まず、ジャック取付け用の穴を開けます。コアロハは側板が1枚板なので、ブリッジ位置からセンターを割り出し、その延長線の側板の中心にマーキングします。

中心が決まったら、「ハイビット」(お気づきかな〜上の工具の写真では「ミニビット」でしたが、こちらはハンドルと刃が分離するタイプのものです。刃が傷んだら刃だけを購入すればよいので経済的です。)でグリグリ開けます。しかしコアロハは固いですね〜。メンバー所有のコアロハもそうでしたが、他のコア製ウクレレの倍くらい時間がかかります。この作業は写真のように2人で作業するのがベストです。それと1度に開けてしまおうとせず、引き出された木片が切り口をめくらないよう、取り除きながら行うのが「コツ」です。

彫刻刃で「バリ」をおとします。

おおまかに「バリ」を取ったあとの写真です。いよいよこれからピックアップ本体とジャックを接続します。

先ほど開けた穴から園芸用ワイヤーを差し込みます。

差し込んだ園芸用ワイヤーをサウンドホールから引き出します。園芸用ワイヤーは軟らかいのでそんなに心配いりませんが、ワイヤーの先端がサウンドホール周辺を傷つけないよう注意します。

予めアンプにつないで音が鳴ることを確認済(ここ重要)のピックアップの配線コードに園芸用ワイヤーを巻き付けます。この時、配線コードをねじれないようにすることが「こつ」です。ねじれるとその部分で断線する恐れがあります。(過去に2度程断線した経験があります。)

ゆっくりと配線コードを引き出します。

配線コードをジャックの端子に半田付けします。(おっ、やっと出てきましたね半田ごて)使用するジャックはステレオなので端子が3つあります。ボリュームを取付ける場合に3つの端子を使いますが、今回はボリュームを取付けないので1つ余ることになります。(勘違いしてました。ボリューム取付けでも2つしか使いません。ピックアップがフロントとリアに分かれたエレキギターなどで使うようです。2005/10/19追記)このジャックでは一番長い端子ですが、ジャックにより異なるかもしれませんので事前の確認が必要となってきます。

ジャックを固定する前に再度、ピックアップが正常に鳴るか確認します。(確認ばかりしてますが、完成してから鳴らないと大変な修理作業が必要となりますので、何度も確認しておきましょう)ウクレレを軽く揺らし、繋いだアンプから「カラカラ」とピックアップがボディにあたる音がすればOKです。

いよいよジャックをボディに取付けます。接着剤でボディに固定する方もいますが、私は修理を考えて水道管用漏れ止めテープを用います。ジャックに1,2周巻き付けます。この時ねじ込み方向を考えて、反時計巻きに巻きます。

ボディにねじ込みます。緩かったらもう一度引き出し、テープを追加します。(あまり固くしてしまうと修理が難しくなるので、ケーブルを抜く時についてこない程度にしておくのが良いでしょう。この辺は経験値ですが。)

サウンドホールから、ピックアップを取付ける場所の確認をします。なるべくブリッジよりのセンターより左側(4弦側)にピックアップが貼付けられる位のスペースを探します。写真では鏡で確認してますが、同時に手をいれて手探りしてみます。

ピックアップに両面テープを貼付けます。振動で剥がれてくる場合がありますので、両面テープはなるべく強力なものを選びましょう。

写真ではまだ貼付面の保護紙を剥がしていませんが、保護紙を剥がし、サウンドホール内に入れます。この時、弦を緩めておくと作業が楽です。

予め見つけておいた目的の場所にピックアップを貼付けます。軽く貼付けておいて再度、アンプに繋げて音が鳴るか確認してから、もう一度強く押さえます。両面テープは1日程度経つと非常に強力に付きますので、1日放置しておくと尚良いでしょう。

はい!完成写真です。ここまでの作業時間は準備を含めて小一時間といったところです。

この項終わり